コラム2 ミネラルウォータと温泉の深い関係

皆さんは温泉に入ったとき、温泉水を飲んだことはありませんか?健康法としても知られるようになった飲用温泉水ですが、実は身近なところで販売されています。それは、海外のミネラルウォーターです。といっても海外産すべてではありません。特に日本で有名なのが、フランスのエビアン水(フランス南東部レマン湖南岸)、ビシー水(フランス、重曹泉)、ビッテル水、コントレックスも鉱泉水です。

ミネラルウォーターの定義

ミネラルウォーターの定義は、日本の農林水産省の「品質表示ガイドライン」で示されています。今回紹介したミネラルウォーターは、正式には「ナチュラルミネラルウォーター」*1 にあたります。おいしい水ではありますが、日本の軟水と違いミネラルの多い硬水なので、炊飯には向きません。

ヨーロッパでは、鉱泉水を飲む習慣が盛んでして、良質な産地が数多くあります。フランスのビシーやドイツのバーデンバーデンに代表されるように、これらのミネラルウォーターの産地は温泉地であることも多いのです。

*1特定水源より採水された地下水のうち、地下で滞留または移動中に無機塩類が溶解したもの。鉱水、鉱泉水等

【品名の定義】

品名 原水 処理方法
ナチュラル
ウォーター
特定の水源から採水された地下水 沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行っていないもの
ナチュラル
ミネラル
ウォーター
ナチュラルウォーターのうち、地下を移動中又は滞留中に地層中の無機塩類が溶解したもの※天然の二酸化炭素が溶解した発泡性の地下水を含む
ミネラル
ウォーター
ナチュラルミネラルウォーターを使用し、右記の処理を施したもの 品質安定等の為に、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外に以下の処理を行ったもの・ミネラルの調整(規定以内)
・ばっ気・複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターのブレンド
ボトルドウォーター
(又は飲用水)
ナチュラルウォーター、ミネラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターを使用し、右記の処理を施したもの 品質安定や機能の強化等の為に、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外に、原水の成分を変化させる処理を行ったもの・規定範囲を超えた、ミネラル調整や添加・電気分解、逆浸透膜ろ過、など※処理方法に限定はないが、食品衛生法に基づく加熱殺菌などの処理が必要
上記地下水以外で、飲用に適した水を使用し、右記の処理を施したもの※地下水以外の原水=海洋深層水/蒸留水/水道水、など

 

【主な原水の種類】
浅井戸水 浅井戸からポンプ等により取水した地下水
深井戸水 深井戸からポンプ等により取水した地下水
湧  水 不圧(自由面)地下水、被圧地下水の区別によることなく、自噴している地下水
鉱 泉 水 自噴する地下水のうち水温が25℃未満の地下水であり、かつ、溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水
温 泉 水 自噴する地下水のうち水温が25℃以上の地下水、又は、温泉法に規定される溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水のうち飲用適のもの
伏 流 水 上下を不透水層にはさまれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じる流水
鉱  水 ポンプ等により取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水

 

参考情報

ヨーロッパおよび地中海沿岸の温泉情報

地名の由来や泉質が書かれていて、イスラエルやヨルダンの温泉まで分かる珍しいサイトです。

NPO法人 健康と温泉FORUM
http://www.onsen-forum.jp/

ミネラルウォーターの品質表示ガイドライン

キリンビバレッジの「水に関するマメ知識」に、農林水産省のガイドラインが詳しく載っています。

http://www.beverage.co.jp/contact/report/water.html

温泉のはなし  1994/8/15第1版発行

「著者」白水晴雄、「出版社」技報堂出版

水に感謝!!水回りの万国博覧会

「著者」シンコー株式会社、WEBサイト

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