中欧ハンガリーの首都ブダペストは、ドナウ川の真珠と言われた美しい町。ドナウ川クルーズするには時間が足りないという方、格安お手軽にクルーズを楽しめる手段として、市営渡船がおすすめです。
国会議事堂や城を眺めたり、くさり橋の真下を通ったりと1時間足らずにも関わらず、とても満足感が高いです。
D13ラインに乗船
市内の主要観光地をほぼ全通するブダペスト市交通局の渡船ライン「D13」。地元の足であります。
今回は北部のマルギット橋たもと(Jászai Mari tér (Margit híd))から、南部のエルジュベート橋たもと(Petőfi tér (Erzsébet híd))まで乗船してみました。どちらもトラム駅がそばにあるので、旅行者が使いやすい区間だと思います。うれしいことに、市内1日乗車券で追加料金なしに乗ることができます。
ルート自体はさらに奥まで続いているので、どこまで乗るかはお好みで。船はドナウ川の両岸を交互に停まっていきます。GoogleMapでは渡船場の場所と地名が表示されるので、事前に調べておくのも手です。
船着き場の様子
船のマークとブダペスト交通局の略称「BKK」の看板のある渡船場から乗車。行先は書いてありませんが、ルート番号があります。トラムと同様、周囲に切符売り場はありません。桟橋に行く門は閉まっていることもあります。自分で開けて乗りましょう。
船内の様子
2F建ての平底船。東京隅田川の水上バスを想像してもらうと分かりやすいですね。運航乗員は3名。乗る時に行先を伝えておくと、桟橋に止めてくれます。桟橋に待っている人がいないときはスルーしてしまうので、これは大切。
英語は通じないので、ハンガリー語で地名を伝えましょう。
朝7時ごろですが、誰も乗っていません。イベントでも使うことがあるそうで、売店など一切ないにも関わらずどこか カフェのような雰囲気がありますね。
ミニクルーズ、いよいよ開始
マルギット橋通過中
歴史ある鋼鉄橋ですが、第二次大戦で爆破され、できる限り元の橋材で再建したそうです。街並みもそうなのですが、市街の80%が被害を受けるという壮絶な市街戦ののち、戦前の光景をできる限り再建する道を市民は選んだとのこと。再建とは思えないほどの忠実さに、当時の人々の心意気が伝わってくるかのようです。
左に見えるゴシック風の建物は、国会議事堂
右も左も絶景、どちらに目を向けたらいいのか思わず悩んでしまいます。夕日や夜に乗るのも景色が一変して良さそうですねぇ。
観光交通の要衝、バッチャーニ広場(Batthyány tér)
教会とバスのロータリーが目印のバッチャーニ広場。乗り換えに便利なメトロ駅があるので、観光中何度もお世話になる広場です。こちらから船に乗るのが一番便利ですが、クルーズのつもりで利用するには20分足らずになるので時間が短すぎるかも。
対岸の国会議事堂がちょうど正面に見える場所にあります。
ペシュト地区 赤石の教会(Szilágyi Dezső)
背後の丘の白く輝くマチャーシュ聖堂との対比が美しいです。
ブダペストの象徴 セーチェーニ鎖橋
行く手に、くさり橋が見えてきました。セーチェーニ伯爵の支援で作られたハンガリー近代化の象徴。鉄道建設といい近代化に奔走した伯爵ですが、革命ではつらい目に遭いましたね。
くさり橋のたもとは残念ながら渡船場がありません。そのかわり、橋の真下の通過を堪能できますよ。
真下を通ると、ブダペスト城がひときわ大きく見えてきます。
ブダペスト城
こちらも再建ながら、圧倒的な存在感。
くさり橋を通過。右側にゲッレールトの丘と自由橋が見えてきました。ホテルゲッレールトの日帰り温泉に行くならSzent Gellert terで下船すれば目の前です。
目の前を行くのは国際旅客船。ドイツの国旗が掲げられていました。国際河川ならではの光景ですね。この先、オーストリアのウィーンを経て、ドイツまで行くのでしょう。
エリザベート橋たもとで下船、中央市場の最寄りです
今回のクルーズはここまで。結局利用者は私一人でした。トラムやメトロに存在をほとんど奪われた格好の渡船ですが、今後も残ってほしいものです。
渡船場からほど近い中央市場。
さて、今夜の食材を買いに行きますか。
ブダペスト交通局(BKK)公式サイト(ハンガリー語、英語)
D13ラインの交通情報とルート情報です。渡船場は臨時閉鎖されることもあるのでこちらで確認してください。
http://www.bkk.hu/bkk_info/?cel=hir&id=4539
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