カンボジア もう一つのアンコール王都「コーケー遺跡」

せっかくのカンボジア個人旅行なので、定番以外の遺跡にも行ってみたい!ということで、シェムリアップから日帰りできるコーケー遺跡(Koh ker)に行ってきました。

コーケーは、ジャヤバルマン4世によって928年から944年までに築かれ、わずか10数年間だけ栄えた幻の都です。クーレン・プロムテプという村の近くにあります。アンコール遺跡最寄りのシェムリアップから離れていることから、ツアーだとオプショナル扱いですが、見ごたえ十分。沿道の人々のひなびた生活を垣間見られるのが、また楽しい。シェムリアップの都市化された様子とはまるで違うので、一見の価値ありです。

遺跡まではチャーター車で移動

ゲストハウスで車をチャーターして出発。人数を募れば、一人頭の料金も安くなります。あらかじめ水やお菓子も用意しておきました。

赤土の大地をひたすら走るこのルート。対向車が来ると前が見えないほどの砂煙に覆われます。距離も片道100kmありますし、バイクチャーターでは難しいと思います。

アンコール遺跡周辺も、シェムリアップ市街から外れると一気にひなびた風情になります。近代化されたシェムリアップがいかに特別なのか分かりますねぇ。高床式の木造家屋、耕運機をバス代わりに鈴なりに乗った人々など。耕運機だけで10人以上運べるとは初めて知りました。荷車を真ん中にして前後に牛を4頭立てた牛車にはびっくり。どういう理屈なんでしょう。ぬかるんだ道を乗り越えるのにいいのでしょうか。次第に家がなくなり、あとはひたすら荒野を進むのみ。

周囲は、焼き畑をしている最中。近くに川も家も見かけませんが、どこから通っているのでしょうか?これから畑になるのでしょうが、維持が大変そうです。

ベンメリア遺跡に立ち寄り

ルート上、ベンメリアの近くを通るので、せっかくなので立ち寄ってもらいました。帰りだと入場時間が終わりかねないで、行きに寄るのが良策。朝日に輝く遺跡もいいですしね。

ベンメリア遺跡は、別ページで紹介しています。

https://www.hinatabi.com/blog/20110911_cambodia_bengmealea.html

写真はベンメリア正面。

コーケーまで行くとなにもないので、ベンメリア周辺でお食事。

無事コーケー到着

コーケー遺跡は、ため池を回る道路沿いに遺跡が大小30以上立ち並ぶ構図になっています。もう一度見たい遺跡があっても戻るのは簡単。かなり時間がかかるので、先に行きたい遺跡だけ行って、時間が余ったら第2候補の遺跡を回るといいと思います。

カンボジアの旅行社クロマーマガジンより転載

一押しの遺跡、ピラミッドがある「プラサット・トム」

上の地図で拡大されているのが、コーケー遺跡最大にして目玉の「プラサット・トム」です。ピラミッドばかりクローズアップされていますが、正面の遺跡もなかなかのもの。崩壊度合いが激しいのが残念ですが、規模は大きいです。修復の真っ最中のようで、あちらこちらに補強が見られました。

門を通って、

列柱回廊をすすむ・・・

やがて現れるピラミッド!かつては頂上に巨大なリンガが配置されたそうですから、さらに大きく見えたことでしょう。周濠でもないのに、周囲の広いこと。

大変残念なことにピラミッドは登頂禁止。近寄ると梯子が途中で落ちているが、見て取れます。周囲は歩けるので1周してみましたが、さすがの貫録。遺跡全体を2重に塀が囲っています。

プラサット・トム脇の小ため池

乾季のため、中心地のため池は野原になっていましたが、こちらは健在。水も透明度が高くてきれいです。

地雷撤去の拠点

小さなため池の隣は、地雷除去のテント村がありました。遺跡の周辺は、今なお地雷注意の看板が並びます。遺跡を気楽に歩けるのも、撤去が進んだおかげ。2000年ごろは、道路以外歩けない状態だったそうですから、感謝しきりです。

道路から遺跡を眺めるとこんな感じ

灌木の中を塔がそびえたつ。実際見きれないほど遺跡があるので、車窓だけで見た場所も多いのです。後半は、数が多すぎておなか一杯になってきますし。

灌木に覆われた遺跡

しかし人が少ない遺跡です。1日いたのですが、出会った観光客は数人。逆に怪しい人もいませんが、誰もいない遺跡というのも寂しいもので、仲間を募って正解でした。

ナンディ(象)の遺跡

ヒンドゥの聖象ナンディのある遺跡。かつては人物が乗っていたそうですが、今は本体だけが残ります。

巨大なリンガ

寺院に付属してリンガの収まる小塔が、コーケー中にあります。水を流した水盤や、最後に受けた水口なども残り、保存状態はいいほう。

碑文いっぱいの遺跡

アンコール中心部とこの遺跡が違うのが、碑文の量。門柱や壁には当時の文がびっしり刻まれています。何年にどの王が建立といったことが書かれているそうです。以外に状態がよく、文字がはっきり読み取れます。日本だと鎌倉時代くらいでも摩耗してろくに読めない石碑が多いですが、高温多湿なカンボジアでこれだけ残るのは石の性質によるのでしょうか?

森林に沈む遺跡がこちらにも

整備が進んでいないため、半分森のような遺跡。やがて一般化すれば綺麗になってしまうのでしょうが、荒廃途中の遺跡も興味深いですね。

木に飲み込まれた遺跡。耐え切れずに縦にバックリ割れてしまった遺跡や、天井な抜けた塔も多いですね。衛星写真で見ると、名の知らぬ遺跡らしきものが各地に見えるので、全土にこんな遺跡が眠っているのでしょうね。

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