高野山巡礼ツーリング(高野山から洞川を経て下市口へ)


紀伊半島の巡礼地、高野山と洞川を山越えで巡る1泊2日ツーリング。クロスバイクで行ってきました。

全長約65km。高野山から天川経由で洞川温泉へ行き、下市口に戻ってくるコース。起伏はありますが、天川から洞川への往復を除けば、ほぼ下り基調で車も少ない自転車向きなルートだと思います。

道中も名所あり、名水あり、名物料理ありと盛りだくさんです。

観光込みなら1泊2日が妥当

名所観光をしなければ日帰りでも可能なルートですが、各地の観光地に立ち寄っていくと、1泊2日でも時間が足りないくらいです。

このルートは、災害通行止めになることが多いため、出発前に奈良県の道路交通情報を確認した方がいいと思います。

高野山へは輪行でショートカット

早朝からスタートできれば橋本から高野山までヒルクライムするところですが、東京発だと高野山の観光も含めると時間的に苦しいです。

幸い、最寄りのケーブルカーも輪行可能なので、高野山までショートカットすることにしました。なるべく大荷物での移動時間を減らせるよう、大阪から新今宮に移動して南海線に乗り換え。最後はケーブルカーで山上へ。

終点の南海高野山駅から高野山への最短コースは、バス専用道のため自転車・徒歩ともに通行不可。迂回して大門経由で入ることになります。

山上の宗教都市 高野山にて

初めて来た高野山ですが、金剛峯寺など見どころはたっぷり。ここだけで1日使えるくらいです。自転車を置く場所には困らないので、見どころが散在している高野山は向いていますね。

金剛峯寺。入口からは想像もできないほど内部は広いです。

高野山の入口に建つ女人堂。かつてこの地より女性は高野山へ入ることを禁じられていたそうです。高野山へ至るルートは何本もあるので、ヒルクライムで来てみたいですね。

高野山から天狗木峠へ

高野山を14:30スタート。これから向かうルートは、補給地点やトイレがほとんどないので、しっかり準備していきます。

途中国道から分かれてからは、緩い坂が天狗木峠までひたすら続きます。県道53号は、林道かと思うような狭い道。安全のため、自転車のライトを点灯。

天狗木峠から猿谷ダムへ

天狗木峠に到着。晴れていれば絶景が望める場所ですが、霧が深くて道路もよく見えません。

天狗木峠からは猿谷ダムへは、距離が短い分岐路を使うことにします。急坂ではありますが、全線2車線、舗装済みという立派な道なので、走るのは楽々。県道53号の方が距離も長く、舗装も悪いくらいです。

道中の貴重な補給地点。他にも道端に湧水の水汲み場がありました。飲んでみましたが、高野山と同じくかなり硬めの水。

川沿いに猿谷ダムまで向かいます。地図では気づきませんでしたが、結構アップダウンが続くので地味につらい。ダム周辺には期待した補給箇所やトイレはありませんでした。ダム沿いの道は小集落につづくつり橋が何本もかかっていて、寄り道するのも面白いですね。

猿谷ダムから渓流の続く天川へ

猿谷ダムの橋を越え、天ノ川沿いに天川集落へ。このあたりは渓流が続くハイライト箇所。天川まではほぼ傾斜がないのでイメージしにくいですが、上流に向かっています。

がけ崩れがひどいところなので、道路工事状況によっては迂回の林道を通る必要がありますが、当日は通行可能でした。(通行可否の看板あり)

対岸に見えた不動の滝。梅雨の時期とあって水量も豊富。狭い道のカーブ部分にあるので、車だったらゆっくり見ることができなかったでしょう。この先には村営の入浴施設「天川薬湯センターみずはの湯」があり、駐車場の前に公衆トイレがあります。

天河大弁財天社

ついに天川到着。川に抱かれた村だけあって、神社も水の神様です。舞いの奉納のために訪れる方も多いとか。このあたりも名水の地。さっそく飲んでみましたが、高野山と似た味ながら、だいぶ硬度が低くなっていますね。

このあたりは過去の台風で大きな被害があったところですが、対岸こそ大きく崩れていますが、旧集落は川で守られたようで被害はほとんど見受けられませんでした。

天川川合から洞川へはヒルクライム

天川川合にあるローソン風のお店。このお店、以前はもっとローソンそっくりだったそうです。こういう遊び心は楽しくていいですね。

ここから洞川まではヒルクライム。距離は短いながら、ヘアピンカーブの続く急な坂。トンネルを越えた後も地味につらい坂が続きます。

洞川地区に到着

洞川温泉の旅館街につくころにはすっかり日も暮れてしまいました。旅籠の雰囲気がとても素晴らしいので、夜のそぞろ歩きも楽しいもの。

洞川集落の標高は835m。高野山とほぼ同じ高さまで登ってきたことになりますね。道中ずいぶん下ってきたと思っていましたが、これで帳消しです。

少し離れたところにある日帰り温泉は営業時間が短いので、宿に行く前に一風呂浴びてくることにしました。

夜ごはんは、名物の湯豆腐定食をいただきます。洞川で養殖しているアマゴの塩焼きもおいしかったです。やっぱり夜の締めくくりにはおいしい食事をしたいですね。

翌日、洞川地区を観光

見どころを一通り巡ると半日はかかると思います。朝は大峰山登山口へ。山伏姿の巡礼の行列がほら貝を吹きながら横を進んでいきます。

名物のごろごろ水。駐車場代で汲み放題というユニークな運営スタイルです。徒歩と自転車は料金無料。鍾乳洞から湧き出している割には軟水傾向の水。さすが名水百選というべきか、この周辺では一番おいしかったです。

ごろごろ水のすぐ上には公開された五代松鍾乳洞もあります。

川には大峰山に入る前に瞑想したという岩屋がありました。さすが山岳信仰の村ですね。

ちょっと戻って、竜泉寺脇から面不動鍾乳洞に向かいます。植林された森が多い洞川地区ですが、この遊歩道は大木揃いの雑木林で、隠れたスポットな気がします。

遊歩道からの洞川地区の眺め。正面が大峰山の山上ヶ岳ですが、雲で隠れていますね。

みたらい渓谷

みたらい渓谷は、天川出合の国道309号から登るのがメジャーですが、洞川からだと県道21号のトンネルに入る直前の駐車場から入ると便利です。奥まで行かなくても渓流に出られるので、ちょっとだけ立ち寄りたい方でもいいのではないでしょうか。

洞川川合から黒滝村へ

ここからは下山コース。この区間の特徴はなんといっても、2連続で続く長大トンネル。新川合トンネルの2.7kmと新笠木トンネル1.6km。トンネル内は一貫して下り傾向です。

ぎりぎり自転車通行可能な歩道があるので、使った方が無難。集落がないエリアなので、車も飛ばして危ないです。新笠木トンネルは、歩道の境に反射板が建っているので引っかけないように注意しながら抜けていきました。

断続的に照明が届かない場所があるので、夜間に山岳道路を照らせるような強力なフロントライトがあったほうがいいです。CATEYEの廉価クラスのような街中用ライトでは役に立ちません。2Wat LEDを使いましたが、これでも限界ぎりぎりでした。正直、何度も通りたくない道ですね。

トンネル後も、おおむね下りが続いています。舗装も安定していて走りやすいです。さすが国道。

道の駅「吉野路黒滝」で休憩。道中の貴重な補給地点です。このルートは天川川合から本当に補給できる場所がありません。自動販売機ですら無し。今回は下りなのでよいですが、登りだったらたまりませんね。

下市口へ

里に下りていくにつれ、集落が大きくなっていく気がします。一貫して川沿いのルートですが、ガッツリ下るのは後1か所くらい。

下市口旧集落

林業で栄えた下市は、古民家の宝庫。川の両岸に渡って古めかしい建物が立ち並んでいます。造り酒屋や江戸時代の道標があったりと散策が楽しい一角です。この周辺の旧市街といえば伊勢街道沿いの五條が有名ですが、下市口にもこれほど旧家屋が残っているとは知らなかったので、うれしいサプライズです。

紀ノ川を越えて下市口駅へ

ついに紀ノ川に到達。後は川を渡ってすぐの下市口駅に到着するだけです。

下市口駅に到着。駅前は広いので、輪行への準備は楽々です。線路向うにはコンビニもありました。あとはのんびり家に帰るだけです。

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