栗駒山 紅葉三段染めヒルクライム(一ノ関~須川~川原毛地獄~三関)

一ノ関から栗駒山を越えて山形盆地まで抜ける紅葉狩りヒルクライムルートをクロスバイクで行ってきました。

赤く染まる栗駒山、魅力的な温泉群と楽しみの多いコースです。初雪の三段染めにも出会うことができました。

途中泊は笊森避難小屋を利用。須川温泉の宿は快適ですが、紅葉シーズンは早期に予約満室になるため天候に左右される自転車旅では使いづらい。無料で利用できる山小屋は貴重です。

走行ルートのご紹介

今回のルート:一ノ関駅(泊)~厳美渓~須川温泉~栗駒山(泊)~小安峡~泥湯温泉~川原毛地獄~三関駅

距離:107.5km、最大標高差:1605m(登山含む)、累積標高:2446m

栗駒山頂と川原毛地獄に寄らなければ一日で巡れるコースではありますが、それでは勿体ないので途中泊コースで臨みます。

寒波襲来の予報のため、冬山相当の装備を準備して臨みましたが、これが大正解。対策をしていなければ途中敗退でした。この季節は天候対策が大切ですね。

一ノ関前泊でスタート

朝一番でスタートできるよう、一ノ関駅周辺で前泊して栗駒山を目指します。駅前では、地元の方に飲み物をごちそうになり、山の注意をいただきました。ありがとうございます。

一ノ関から厳美渓へ向かう途中の幹線道路には24時間営業しているチェーン店やコンビニがあるので、一ノ関の市街地を抜ける前に買い込んでおきます。

厳美渓を通過

観光客で賑わう厳美渓も7時台とあっては誰もいません。渓谷美を眺めながら栗駒山へ進みます。

まっすぐに続く道を囲むように虹が現れ、越えては現れるというボーナスステージ状態。

近い虹だと根本が目の前に見えましたから100m離れていなそうです。

火山の影響で青く染まった川

岩手・宮城内陸地震の傷跡残る橋跡からは紅葉真っ盛り。

地震の被害を体験できる旧橋。斜面崩壊で道路が畳んだように折れています。

残念ながら雨も降りだしたので、レインジャケットを着てヒルクライムです。蒸して暑い・・・

道中、湧き水を汲める場所があったので、たっぷり給水。トイレも自動販売機も適度にあるコースなので、夏でも苦労せずに済みそうです。

道路途中にはキツネが木の実を割っているところに鉢合わせ。口に実をくわえ、後ろ脚を跳ね上げて勢いよく道路に叩きつけてうまく中身を取り出しています。器用なものですね。こちらに気づいた後も、驚くことなく悠然と去っていきました。

ヒルクライムの峠、須川温泉到着

栗駒山ヒルクライムルートの頂上である須川温泉に到着。風が強くてめちゃめちゃ寒い。気温も5度くらいしかありません。駐車場に数分いるだけでもきついので、いそいそと日帰り入浴の露天風呂へ。気温差が大きいので、湯けむりで風呂が全く見えません。それでも生き返る極楽の湯。

お風呂から出たら気温は0度。雨はやみましたが、一気に冷えてきました。

本日の宿泊地、笊森避難小屋へ

少し時間が早いですが、笊森避難小屋へ向かいます。

自転車は須川温泉の駐車場にデポ。須川温泉の裏手に上ると青空の広がる湿原。ここまでは快適な道。

その後の道は、数日間雨が降り続けていたため水浸し。笊森避難小屋への分岐の後は数十メートルはあろうかという浸水地帯にぶつかってしまいます。元は登山道とはいえ、深さも分からないし、気温を考えると濡らすと凍傷の心配もあります。周辺の笹薮をつかんでアクロバティックな動きで強行突破。後で須川温泉の人に聞いたところ、いつも水が出る地点だそうなので、このコースを来る方は水はあるものと考えたほうが良いでしょう。

笊森避難小屋は快適

かつての笊森ルートの途中にある避難小屋。岩手・宮城内陸地震で笊森ルートが寸断され、東栗駒山への直登ルートも藪に飲まれたとあって行先を失った小屋ではありますが、ばっちり整備されています。トイレも屋内にあり、内部で2階に分かれた部屋も広々。一ノ関側に開けた立地のため、夕方まで太陽の光が差し込んでくれるのもよいですね。冬季閉鎖が近いため窓は既に閉じられていました。

天気予報では-7度まで下がるということなので、明け方に寒くて寝られなくなる可能性を考え、15時前ですが就寝することにします。

朝になったら快晴、ただし雪山に

朝5時に出発。写真では山頂を雪雲が覆っていますが、周囲は快晴で気持ちが良い。周囲の梢は霧氷で凍り付いて輝いています。昨日苦労させられた池はスケート場のように凍り付いていました。薄氷で乗れるほどではありませんので、昨日と同じく笹薮をつかんで突破。

山頂は冬山状態

エビのシッポも育ち始めた冬山の様相の栗駒山山頂。

6時だというのに麓から登ってきた登山者がいるのにはびっくり。

のんびりしていきたいところですが、立っているのもきつい強風でいるだけで体力が吸われそうです。素晴らしい雪景色を堪能しつ、早々に須川温泉に向かって下山します。

数百メートルも降りると紅葉の染まる秋山に変化。三段染めの境界線とはこういうものか。

大変だったのは登りよりも下り。階段はもちろん凍り付いているのですが、透明すぎてどこが凍っているのかさっぱり。段々部分は氷の板になっていて踏みぬく場所もあれば耐えられる場所もあり。傾斜ありのスケートはきついです。転びまくりながら先に進みます。

凍り付いた後はお風呂が一番。朝から入浴できる露天風呂で体をほぐします。

ダウンヒル開始

駐車場で自転車を回収したところ、様子がおかしい。ギアチェンジがうまくいきません。シフトのアウターケーブルが凍り付いてギアチェンジを阻害している模様。カチコチになっています。こんな経験初めて。幸いブレーキは問題がないので、気にせず下山開始。心配していた路面凍結も大丈夫そうです。

この時は、半日後には積雪で道路が埋まることになるとは知るすべもなく。かなりぎりぎりで逃げ切っていたことになりますね。

紅葉は岩手側よりも秋田側の方が素晴らしい。快晴に映える赤く燃え上がる山並み。これが見たかった!

道の状態も大変よくスピードを出しやすいですが、ここを素早く抜けるなんで勿体ない。ダウンヒルはかなりの寒さ。レインジャケットにグローブは欠かせません。

奥小安峡温泉で冷えた体を回復

日本秘湯の会である奥小安峡温泉は川そのものが風呂になっている素晴らしい一軒宿。秋は寒いとの話でしたが、まだ十分入浴できる温度。ここからはもう寒いところはないはずなので、大休止も兼ねてゆっくり。

小安峡温泉まで来ると観光客がいっぱい。食事処も少なくかなり待たされるという話だったので、名物のババヘラアイスだけ食べて泥湯温泉へ。

周囲から湯けむりの上がる泥湯温泉へ

小安峡温泉から泥湯温泉へは、今回のルート最大の急傾斜。10%台の坂を一気に上っていきます。

雪と紅葉に染まる栗駒山を眺められるスポットあり。

泥湯まではトイレも補給地点もまったくありません。さすがに疲労がたまってきており、淡々と走り続けて山深い里へ至ります。

下調べではそれほど距離がないように思ったのですが、想像以上に遠く感じます。所要時間は予定通りですが、実時間と体感は別物というわけですね。

泥湯温泉到着

白い斜面に湯けむりが見えたら、泥湯温泉。よくもこんな奥地に集落を作ったものです。ガス発生立ち入り禁止や泥はね注意の看板が怖いです。すぐそばでグツグツいってますし。

泥湯温泉は最寄り駅までの最後の補給地点なので、こちらで眺めの休憩を取っていきます。

温泉卵も売っていてこれがおいしい。売り切れても20分ほどで茹で上がるので、追加があるか店の人に聞くとよいですよ。

泥湯温泉~川原毛地獄

最後のヒルクライム。2km足らずですが、ヘアピンカーブが下から丸見えなので、かなりへこみます。今回一番疲れたと思ったのがこの登りでした。

登り切ったらすぐに開けた場所に出ます。これが川原毛地獄。

本日最後のメイン、川原毛大滝湯へ

川原毛地獄と川原毛大滝は同じ場所にあるのですが、遊歩道でしか繋がっておらず、車だとまた戻ってこなければなりません。自転車なら斜面の遊歩道を500mほど担いで降りれば川原毛大滝の駐車場に出られます。ここから三関駅に下りれば10km近く短縮になるのでおすすめです。

川原毛大滝は日没寸前とあって独り占め状態。ちょうど適温の湯を暗くなるまで楽しみます。

川原毛大滝の最寄り駅、三関へ

川原毛大滝からは里までは傾斜のきついダウンヒルなので、完全に日が暮れるまでに通過することにします。

里まで下りてしまえば、あとは三関駅に向かって走るだけ。街灯はまったくないので、夜間単独走行できる強力なライトが必須です。

三関駅周辺には店がほとんどありませんが、酒店や自動販売機ならありました。

駅前ロータリーで輪行準備をしたら後は新庄経由で帰るだけ。三関駅は無人なので、新幹線の切符は車掌さんから買いましょう。

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