輪行で行く、新穂高と安房峠ヒルクライム(平湯~新穂高~上高地)

クロスバイク輪行で新穂高から安房峠を経て上高地までヒルクライムに行ってきました。乗鞍岳も有名ですが、安房峠の紅葉もなかなかのもの。奥穂高や焼岳の岩稜風景には圧倒されます。

車での現地入りしての体験記は見かけますが、輪行オンリーはあまり見かけません。注意どころなどもまとめておきたいと思います。

走行ルートは、約36.5km。標高差約1,300mです。前日の乗鞍の疲れも残っているので、のんびり登るつもり。

今回の記事は2部構成です。前編の乗鞍岳横断ヒルクラムの記事はこちらです。

輪行可能な時間帯は早朝や夕方のみ

輪行で東京方面に戻る場合、松本電鉄の路線バスに自転車を積み込むことになるのですが、有名観光地のため輪行できる時間帯が極めて限られています。加えて登山客が多くを占めるため、バスのトランクがいっぱいになることも多いのです。朝一番か夕方の利用が現実的です。

今回は、午前中に新穂高周辺を回り、午後に安房峠経由で上高地入り。上高地発の最終バスで新島々に向かうことにしました。上高地の最終便は秋の三連休でもガラガラなので利用価値大です。

名物の巨大露天風呂「水明館 佳留萱山荘」で朝風呂を堪能


本日は新穂高温泉のお宿からスタートです。

巨大露天風呂で有名な「水明館 佳留萱山荘」で日帰り入浴です。一度来てみたかったのです。脱衣所の真横がすぐ露天風呂。プールよりも大きな露天風呂を囲むように巨石が並べられ、洞窟風呂もあります。ぬるめのお湯なので、いつまでも入っていられそう。同じく日帰りでも水着着用の「新穂高の湯」も良いですよ。

温泉のレポートは、こちらにまとめてあります。

蒲田川が流れる小糸谷を下っていきます

新穂高温泉郷のある小糸谷。振り向けば新穂高岳の美しい山並みが目の前に。ほとんど傾斜がないので、飛ばしていきますよ。

平湯への分岐路、栃尾にて行動食を買い出し

栃尾にある古社。このあたりにはスーパーもあるので、行動食を買い込みます。

平湯に泊まると、朝は土産物屋も開いていないので、食べ物を買えるところが皆無です。今回は新穂高だから良いですが、平湯発を考えている方は気を付けてください。

ここから平湯温泉まではヒルクライムルート。平湯までひたすら傾斜がきつくなっていきます。

高原川沿いのヒルクライムルートは、湧水がいっぱい

道中にある湧水飲み場。これがまた冷たくておいしい。平湯まで4か所近くあるので、ペットボトルいらずでした。

 アカンダナ山を正面に登る

 

平湯からだとあまり高く感じないアカンダナも、栃尾からは巨大な山に見えますね。上高地までは、この山をほぼ半周することになります。

ヘアピンカーブを登り、平湯へ

奥飛騨クマ牧場の付近は、一直線の登り道。最高10%程度の傾斜が続きます。滑り止め用として舗装道に埋め込まれたゴム片が路肩に転がっていて、走りにくいです。

平湯温泉間近は、広大な山岳風景

長大な橋で谷を横断して平湯温泉街に入ってきます。目の前にある山々を前日は越えたかと思うと感慨深いです。

平湯大滝へ

平湯温泉の近くにある平湯大滝。自転車ならすぐ着けます。滝の手前にある日本そばのお店は、足湯をしながら食べられるという粋な計らいがあります。足を休ませながらの昼食もいいものですね。

温泉たまご、おいしいです

平湯の温泉ゆでたまごをお店でいただきます。これがまた美味しいんだ。

安房峠ヒルクライム開始

旧国道とあって、広さも十分。道の状態も良いですね。前半は林間ルート。ほとんど展望はない中、淡々と登っていきますよ。

かなり登ってきました。安房峠の前には安房平という高原もあり、峠に近いにも関わらず、意外にもおだやかな印象です。

傾斜が緩くなってからも、なかなか安房峠に到着しません。

あのカーブを抜けると峠が見えるを、口癖にゆるゆる登っていきます。

 安房峠到着

ついに到着、安房峠。標高は1,796mあります。安房平を眼下に見下ろす好立地。遠方はあんまり見渡せないので、峠での風景は道中とあまり変わりません。心配したほど背後に建つ平湯トンネルの排気塔は目立っていませんでしたね。

かつての放牧場、安房平。本当にここだけ平らです。

旧安房峠茶屋跡からは、奥穂高や焼岳の展望が広がります。今までまったく見えなかっただけに、思わず声を出してしまう感激ぶり。峠よりこっちのほうが眺めがいいですね!

約1,200mの標高のため、この付近の紅葉はまだきれいです。

幾重にも連なるヘアピンカーブを、絶景を前にしながら快走していきます。

こんな風景が前に広がっていたら、堪えられませんよ!

中の湯温泉で、穂高を眺めながら日帰り入浴

時間調整もかねて、名湯「中の湯旅館」で日帰り入浴。こちらの露天風呂は真正面に奥穂高岳が見える素晴らしい立地。温度の高いお湯なので、寒い秋でもホカホカ。運が良ければ、釜トンネル真横の「卜伝の湯」にも入れるかも。

釜トンネル直前の渓谷は、温泉で茶色く濁る

急坂の山岳道路、釜トンネル

今回のルートで、最後に立ちふさがるボス。それが釜トンネルです。

平均斜度10.1%、距離1,310mという劇坂トンネル。斜度は日本でも最高レベルと言われますね。冬季にライトの消えたトンネルを歩いたことがありますが、歩きでもはっきりとした登りを感じることができるほどです。今回のルートではここが一番つらかったです。景色がないのにいつまでも先の見えない急坂が続くのですから。

歩道がとても広いので、歩道を走ることをおすすめします。一般車通行止めのエリアのため、タクシーが猛スピードで飛ばしているので、車道側を走っていてはぶつけられかねません。まだ車が見えないほどの距離から、爆音が響いてくるので、正直ビビりますよ。

夕暮れ迫る大正池

釜トンネルを無事通過。写真だと明るいですが、実際にはかなり暗くなっています。最終バスまで時間がないので結構焦りました。途中、前を行く土砂を運ぶトラックからバラバラ石が転がり落ちるシーンもあり、最後まで気が抜けません。

上高地バスターミナルに到着。最終バスはガラガラ

上高地発の新島々行きの最終バスまでしばし休憩。

晩秋に入った上高地はかなりの寒さです。この時間帯は屋内で休める場所がないので、防寒着は必須。最終バスは秋の三連休でもガラガラ。観光バス仕様なので、輪行袋に入れた自転車も荷物室に入れられます。

松本からの特急は、輪行にはギリギリのサイズ


松本からの特急列車でも輪行。松本からの特急は、車体幅の狭い「スーパーあずさ」と広い新型があるのですが、東京方面への最終特急は「スーパーあずさ」が多いです。

座席の後ろにクロスバイクを置くのですが、幅が足りずハンドルが通路にはみ出してしまいました。車内販売があるので、はみ出したままというわけにもいきません。

無理やりななめに押し込んでやり過ごしました。紐をひっかけられるようなフックもないので、ディレイラーにかなり負荷をかける置き方になってしまいました。ロードバイクだと全長が短いので、問題は少ないかも。

新型のあずさだと余裕で置けるので、早く切り替わってほしいものです。時刻表で「スーパーあずさ」と書いてある列車は避けたほうが無難です。

今回の記事は2部構成です。前編の乗鞍岳横断ヒルクラムの記事はこちらです。

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