自転車ヒルクライム 国道第一の激坂、暗峠を登ってみた

国道第一の激坂と名高い、大阪・奈良県境の暗峠(くらがりとうげ)を大阪側からヒルクライムしてきました。

目標は、クロスバイクで押しナシで登り切ること。関東の激坂好きは、この坂に対抗できるのでしょうか?

国道308号屈指の難路。生駒山地の暗峠は標高447m、全長6.2km、大阪側登り2.5kmの道のりです。

「暗越奈良街道」という奈良時代からの古街道でもあり、歴史探索としても楽しみです。
古街道が起源の道は多いものですが、国道308号の暗峠区間はそのまま車道にしてしまったという無茶な道。酷道と呼ばれるだけはあります。

個人的な激坂ランキング1位。富士あざみラインに匹敵する苦しさと感じました。

枚岡神社から本格的な登り。補給に立ち寄り

平野部の河内から走ってくると、枚岡神社まで緩い坂ながら地味に標高を稼いでいます。
ウォーミングアップに丁度良し。

枚岡神社から急坂が始まるので、最終補給地点に最適。
スタート前の楽しい休憩。これから峠頂上まで、店・自動販売機・トイレが無いので、しっかり補給しましょう。

暗峠の脇の山地も神社有地で、山腹に奥の院があると言います。

近鉄奈良線の高架橋下からスタート

暗峠の最寄りの駅は、近鉄奈良線の枚岡駅。

神社から線路沿いに北に数百メートル行った架橋脇が暗峠入口です。初っ端から急傾斜。

道が狭いため、車はスタート直後の200mのみ上りと下りで進路が決まっています。

徒歩と自転車以外は制限がないので、そのまま下り用道路を進行。クロスバイクなので、このくらいの傾斜ならゆったり登れます。

大阪方面を振り返ると、平野部がすでに下に開けて見えます。なんて道だ!

ここまでは序の口です。よくある激坂レベルです。

えらく眺めのいい住宅地ですが、住むのは大変そう。これでも麓の方なのが泣けます。

道幅が狭く回避する余地はないので、車が来たら必然と足付きになります。清掃車が下りて来たので、無駄にスパートするはめに。

この道は、険しい割には車の通行量が多いです。足付にこだわって通行の妨げになるわけにはいかないので、うまく道が広がったところで回避できるかがカギですね。

心臓破りの枚岡公園入口地点

心肺能力的に一番キツイ場所の一つ。ここまでは案外簡単と思っていたら、さっそくキバを向いてきましたね。

脚力はなんとか持つんですが、息が持ちません。炎天下に行く場所でなかったか。体の排熱が間に合わない感じ。

赤い橋を渡った下にある滝を眺めて、無念の休憩。せめて自販機があればねぇ。

リスタートを阻止されるレベルの急傾斜

一息ついたと思いきや、リスタートが地獄。

何度もスリップしてやり直しに。タイヤのグリップが坂に負けている!踏ん張らないと自転車を立てておけず、足に力が入るとスリップしてしまうという悪循環。

よくリスタートできない坂という表現はされますが、本当にできないのはほとんどありません。

こんな坂ですが、ベルギーから登りに来ている人もいたそうで。どこで知ったんだ!?

やっと走り始めたと思ったら、さらに容赦無く傾斜はキツくなっていきます。

これだけ激坂の核心部ばかりという坂にはお目にかかったことがありません。吐き気がしてきました。

意外に車が下りてくる数が多く、その都度下車を強いられます。この道は登山道でもあるので、徒歩者も多いです。

排水溝が道路を斜めに横断しているのが極悪。溝の幅も広く蓋もつけられていないので、まっすぐに漕がないと溝にタイヤを取られます。

登りはいいけれど、下りには使いたくない坂ですね。事故が起きそう。

道幅があればもっと楽なんですけどね。

きつい中にも癒しあり。修験道の行場があったりと古街道の名残は豊富。

大阪側はほぼ全域、急坂使用の滑り止め加工のコンクリート道。こんだけ長いのも珍しい。

途中で駐車していた車があったのですが、なんと安定して止めるために後輪を積んだレンガの上にのせていました。どうやって乗せたの!?
暗峠のプロですね、こりゃ。

最難関は、最急のヘアピンにあらず

暗峠最高の傾斜と言われるヘアピンカーブよりも実はキツイ、直前の傾斜。

S字にうねっている上、傾斜が一様でないので登り難いことこの上ない。道を左右で計測したら結構な傾斜になるのでは?

車が下ってくると、退避だけでもキツイのなんの。ここも、足付きするとリスタートが大変。道路幅一杯をつかってなんとか走り出せます。

悪名高い道を斜めに走る排水路が、一際いやらしい場所にあるのが、この地点。せめて傾斜の逆に掘ってあればラクなんですが・・・

暗峠最高と名高いヘアピン傾斜地点

イン側が急なだけなので、アウト側は他の地点よりラクなくらいです。

イン側の登るべき?いやぁー、コケるだけのような気がします。登ったという話も聞くので、すごい人もいるものですね。

ヘアピン後は普通の激坂レベルに難易度低下

最急地点の後も急勾配が続きますが、今までの難しさに比べるとまったりできます。あとは頂上まで極悪レベルの坂はありません。

10%強はあるはずですが、坂の感覚が狂ってしまっていて平坦に見えてしまいます。後は緩くなる一方なので、あと少しのがんばり。

水場のあとは、棚田を愛でながらのポタリング風味

途中の水場は建屋のある立派なもの。衛生上煮沸しないと飲めないと書いてありますが、我慢できず飲んでしまいました。うまい。

林が切れて、田んぼが広がるエリアに来ました。傾斜も顕著に緩くなり、峠が近い証拠ですね。言ってみれば、ウイニングラン地点か?

左側の道が国道、写真では間違えそうですが、現地では案内看板があるので迷うことはありません。しかし、ネタにしやすい風景ですね。右側のハイキングコースのほうが道幅が広いです。

峠に近い高地にも関わらず、広がる棚田が美しい。関東だと丘陵地帯は畑が多いですが、水が豊富なのでしょうか。

いよいよ峠に近づいて来ました。民家の迫る狭い道を進んでいきます。

暗峠付近は、歴史ある雰囲気

最後は石畳。

江戸時代に郡山藩により敷設された石畳なので、なかなか味わいがあります。ガッタガタな乗り心地で、最後まで楽しませてくれます。

古い石碑や道路看板も立ち並んでいて、一気に時代が古くなった感じがします。

峠の茶屋すえひろは最高の休憩場所

忘れてはならないのが峠頂上にある茶屋。

前後に補給箇所はまったくないので、茶屋の存在は大変嬉しい。暑い中でのかき氷は量も多く、素晴らしい味でした。

庭先の長椅子に腰かけてしばしの休憩。サイクリングノートもありますよ。

奈良側は大阪側よりゆるいが十分急坂

最初だけ立派な二車線道路。

後の隘路と拡張し難そうな地形を見ると、ここだけ改善しても費用帯効果が薄そう。しかし、景色はすばらしいですね。

直前の立派な道が嘘のように、舗装路以前を思わせる古道も残っています。

旧街道らしくて、このほうが好きですね。

住宅地を気持ちよく滑り降りていきます。生活道路なので、スピード注意。

山麓の南生駒駅に到着。国道308号のもう一つの峠「榁木峠」へは踏切を渡って直進

麓まで下山。古街道らしい石碑の道しるべがお出迎え。右、信貴と書いてありますね。

近鉄生駒線の南生駒駅にほど近い踏切に到着。

榁木峠へ到達できず。替わりに阪奈道路で奈良市内へ

奈良まではまだ「榁木峠(むろのきとうげ)」が待ち構えています。しかし、痛恨の道ロスト。

あまりに路地にしか見えない国道のため、線路の先の道が見つからず、あらぬ方向に進んでしまいました。地図かGPSが必要ですね。機会があれば、後半部分も挑戦かな。

かわりに阪奈道路を利用して奈良へ。旧高速道路だけあって速い速い。しかし自転車で走っていいのか不安になる道ですね。

周囲の車の速度が速く、落ち着きません。外壁の茂みもあるので、路肩ギリギリだけを走るというわけにもいきません。次は使わないぞ!

奇しくも奈良に入る場所は「暗越奈良街道」の終点でもありました。

こちらのルートもおすすめです

“自転車ヒルクライム 国道第一の激坂、暗峠を登ってみた” への5件の返信

  1. かめきち

    神戸大学の方が教えてくれたので
    今度は東京からロード持参で、チャレンジしたいので
    参考にさせていただきました。
    ありがとうございます。

    返信
    • yuan 投稿者

      ご指摘ありがとうございます。確かに枚岡神社ですね~。さっそく記事を修正させていただきます。

      返信
  2. ぜんまい

    古い記事へのコメントですいません。
    枚岡公園には犬を連れてよく遊びに行くのでいつかは暗峠を登ってみたいと思っていましたが、ガッチガチのロードーレーサーかヒルクライム用じゃないと無理かと思いきや!クロスバイクで制覇ですか!?
    ちなみに自分もクロスバイク派ですので憧れます!
    軽いギヤでクルクルまわす感じですか?それとも少し重めでダンシングですか?
    ご教授よろしくお願いします!^^

    返信
    • yuan 投稿者

      こんにちは、ぜんまいさん。
      私の場合、軽いギヤでクルクルでした。暗峠で重いギアは人や車を避ける余裕を持てないので無理ですねぇ。この峠に限って言えば、クロスバイクの方が向いていると思いますよ。3万円しないエントリーバイクなので、他の方はもっと有利かもしれませんね。(楽とは言いませんが)

      余談ですが、他の方のブログだとロードバイクに転換した方が多くて、あえてクロスバイクで巡ろうという情報が少なくて困ったものです。そのため、クロスバイクにこだわった記事にしているつもりです。

      返信

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