トルコ鉄道の旅「夜行特急アナドール・エクスプレシ」

トルコの首都アンカラとイスタンブールを結ぶトルコ国鉄TCDD 夜行特急「アナドール・エクスプレシ」をご紹介します。

高速夜行バスの強いトルコですが、夜行列車ならではのメリットも残っています。寝台車では体を横にできますし、都市中心部に直接着くので目的地によってはバスより便利です。

大都市行きの夜行バスは検問で夜中に起こされるが、列車ではその心配はない

バスだと郊外のバスターミナルに到着なので、大都市ほど無駄に時間がかかります。あまり旅行ガイドに載っていないようですが、夜行バスだと大都市に入る直前に軍の検問にあって起こされます。憲兵隊がどやどや入ってくるのは、ある意味必見なのか?

しかし、街で鉄道駅の場所を聞くと高速バスターミナルを教えられるのはどうにかならないものか?「なんで列車なんて使うんだ、バスのほうが便利だぞ」というのが彼らの意見。運行本数とカバーエリアが違いすぎるので仕方のないことではあります。

トルコ鉄道 アンカラ駅

ソビエト風の駅舎。トルコはソ連に援助を受けていたことがあるので、その名残でしょうか?
高速バスターミナルからは地下鉄で近くまで来られるのですが、その先がわかりにくい。

歩いていける距離ですが、地下鉄駅では国鉄への行き先案内がなく、国鉄駅は線路の反対側ということもあり難易度高し。現地の地図は持っていったのですが、歩きは断念しました。

アンカラ駅 構内

構内は広々。待合椅子が並びます。キヨスクはありますが品揃えは少ない。
駅前に店がまったくないので、先に買い込んでおいた方がよいかも。

トルコ新幹線(YHT)

スペイン製のトルコ版新幹線。今はまだ途中までの開通ですが、2013年イスタンブールまで延伸予定。

改札内の売店(Buife)

軽食中心の品揃え。市街と遜色ない値段の安さ。
飲み物を除き、食べ物は冷たいものしかないようです。

アナドール・エクスプレシ 寝台車(4人掛けクシェット)

車両に、列車名と主要停車駅が記載されたボードが取り付けられています。長距離列車は同じデザインの車両ばかりなので、案内板があるのは助かります。

新型車両のため、通路もピカピカ。

通路ドアには、カーテン。備え付けのハシゴは、上段ベッドに移動するためのもの。

ベッドになっていないときは、椅子席になっています。椅子の間のひもを引っ張ると、ベッドが倒れてくるという按配。

上段を使うときは、ベッドを下ろします。

背もたれを倒してベットに変身。ベットは固めかな?

まもなく夜明けです

いつの間にか都市部に近づいています。この後は丘の間を通り、マルマラ海を時折横目に眺めながらの風景に。期待の夜行列車でしたが、道中はまちまちな列車の速度のおかげで揺り起こされる感じ。ちょっと眠りにくいです。

マルマラ海沿いに線路を進み、ゲブゼ駅を通過中・・・

朝食をとりに食堂車へ

食事メニューは充実。軽食からコースまで。値段は市中の中級レストラン並。

朝は利用者が少ない様子。目玉焼きとスープを所望。トルコはどこでもスープは大変美味しい。テーブルのパンは食べ放題です。せっかくだから本格的な朝食にすべきだったかも。

YEMEKLI VAGON=食堂車

日の出到着の列車なので、朝は空いています。

目玉焼きとチャイ、エッキメッキ(パン)

チョルバ(スープ)

メニュー表。選べる料理の数も多く、朝食セットもあります。連日、夕ご飯のボリュームが多くて、今日の朝は少な目にしました。

イスタンブール ハイダルパシャ駅

朝7:00到着。サマータイムなので、まだ朝焼けのお時間。
電気機関車での運行でした。
ボスポラス海峡を越える海底トンネルが開通すると、この駅は廃止になります。
この光景が見られるのもあとわずか。

駅舎は大変豪華。帝国時代のドイツから贈られたものとか。
トルコ共和国の父「ケマル・アタチュルク」の使用したホームは永久欠番になっている。

ハイダルパシャ駅 切符売り場

ハイダルパシャ駅 外観

海に面した駅なので、目の前に広がるボスポラス海峡の眺めは素晴らしい。
対岸の旧市街へは、連絡フェリーが便利。
船着場から2本後の船まで見えているくらい本数が多い。約10分おきの運行本数。

TCDDトルコ国鉄公式サイト(英語・トルコ語)

http://www.tcdd.gov.tr/tcdding/index.htm